とりあえず日記

"普通二輪は小型二輪に限る" ドラえもんと同い歳 ジョウト地方コガネシティ在住

空飛ぶタイヤ(下)

空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)
読了

おんもしろかったなぁ

うっぷんをためてためてためまくって
ぶわぁっと晴らしてくれる

実話を元にしているらしいので
事故にあった遺族には申し訳ないねんけど
これだけストーリーのワクワクさを堪能させてくれる
作家の手腕に
脱帽であります

家族にも強烈にオススメ

ドラマ半沢直樹の原作は未読やねんけど
半沢直樹作品の原点を垣間見たような気がする

 って調べたら
 半沢シリーズより
 空飛ぶタイヤの方が後発なんや

WOWOWでもドラマ化されたそうで
こないだ無料放送もやっててんけど
気づいたのが途中からだったので未試聴

PTAのくだりとか
バッチリ映像化されてるんやろか?

そうそう
原作の舞台というか事故の起こった場所が
自分が昔、不本意ながら住んでいたトコの近くなので
めっちゃ情景が浮かんでくるんよね
 港北、綱島菊名...
 あんまりいい想い出がないけど懐かしいな

なんかアーカイブサイトで
原作者のコメントらしきものがあったので
転載させていただく

今まで、金融ミステリを書いてきた。ミステリなのに、書店での定位置は経済小説の棚。「なんでよ」って思っていた。「これはミステリなのに」。挙げ句、ミステリ好きの範疇から外れ、経済小説好きからも範疇から外れる。極々少ない読者に支えられてきた。
 でも、この本だけは違う。ミステリではなく、本当に経済小説として書いた。まともに経済小説を書こうと思って書いたのは、これがはじめてだ。
 今までの経済小説って、どんな小説だと思われてきたのだろうか。経済小説イコール情報小説。そんな風に読まれてきたし、書かれてきた側面がとても強かったのではないか。
 小説よりも前に、経済であり、情報ありき。だから、ストーリーや登場人物の造形に読者はあまり期待してこなかったし、実際書き手の側もそこに重きを置いてはこなかった気がする。
 現場を取材して、新たな情報と切り口を提供するのが従来の経済小説であるのなら、『空飛ぶタイヤ』全く違うシロモノだ。極論を言えば、この本において情報なんてどうでもいい。それは単なる背景に過ぎない。大切なのは人。トレーラーから外れたタイヤに直撃され、人が亡くなるという悲惨な事故をきっかけにして様々な試練にさらされ立ち向かう人間群像。それしかない。みんな人間なんだ。情報を伝えるための駒じゃない。
 経済小説だって、普通の小説みたいにハラハラするし、感動するし、おもしろい——そう思ってもらえないかなと期待して書いた。
 どうだろう。私の試みは成功しただろうか? そして、「これなら経済小説でも読んでやってもいいや」と思ってくれる本好き読者が少しでも増えただろうか。だとすればうれしい。これからもこういう小説、書いていきたい。この小説を書いているとき、とても楽しかった。そして、これほど、連載時からたくさんの人に応援してもらった小説もなかった。どうもありがとう。

WOWOWドラマ化予告編

最初のリコール隠しのドキュメント