とりあえず日記

"普通二輪は小型二輪に限る" ドラえもんと同い歳 ジョウト地方コガネシティ在住

銀河英雄伝説のシビレル文章

「死刑になりたくなかったら警察には捕まるな。社会秩序維持局に捕まれ。決して死刑にはならないから……」

銀河帝国の黎明期にあった
悪名高き社会秩序維持局の残忍さを
見事(?)に表現した一節。
当時流行したブラックジョークなんだそうな。
おぉ怖

〜(略)〜奴隷たちの子が、監視人の視線を逃れ、氷を削って作った小舟を水に浮かべて遊んでいた。何気なくそれを見ていた青年アーレ・ハイネセンの脳裏に天啓が閃いたのだ。この見捨てられた惑星には、宇宙船の材料が無尽蔵にあるではないか!

別稿でも述べた、
氷山空母ネタ。

ルドルフがそれほどの悪党だったなら、なぜ、人々は彼を支持し権力を与えたのか?
〜中略〜
「民衆が楽をしたがったからさ」

ヤン・ウェンリーの父親が
息子の素朴な疑問に対する本質をついた答え。
何気に頭もキレるし、実はいい父親なんよね。
でも息子のヤンとは血のつながりがないという。
実はヤンの基礎は親父の商船で養われたという粋な設定。

「方角は1時から2時……」
ヤンは呟いた。その独語に、次の報告が応えた。
「方角は1時20分、俯角11度、急速に接近中」

ヤンの鋭い情報分析力が発揮される場面。
パエッタ中将の面目丸つぶれ。
で、この後、更に布石を打つべく
デスクに向かうシーンも
またカッコいいんすよ。

「どうやら勝ったな」
ラインハルトは呟いた。中央突破策は功を奏しつつあるようだった。
一方、ヤンもラオ少佐に向かってうなずいていた。
「どうやら、うまく行きそうだな」
やれやれ、という安堵の言葉は声にしなかった。

同じ戦局なんだけど、両者の心情が絶妙に表されている。
"田中芳樹"って凄ぇなぁと思わされる文章。
別の会戦では、この状況を踏まえ
またちょっと違うセリフになってたり。

「お前さんは自宅ではテーブルの上に坐る習慣があったのかね」
「曜日によってはね」
テーブルの上からヤンは応じ、キャゼルヌを苦笑させた。

や、もうね。
これ。
サイコーよ。
ヤンの先輩であるキャゼルヌとの間柄を如実に表してるよ。
ウィットに富んだ会話ですな。
"お前さん"って、もちろんキャゼルヌの声はキートン山田で脳内再生。

「知らせておくことがあって来てもらった。正式な辞令交付は明日のことになるが、君は今度、少将に昇進することになった。内定ではなく決定だ。昇進の理由はわかるかね?」
「負けたからでしょう」
ヤンの返答が、初老の元帥の口元をほころばせた。

この文章を引用したいがために、
このトピックを立ち上げたといっても過言ではない。
黒人枠のシトレ元帥の声は、ケンボウこと故・内海賢二さん。
 ケンボウのプライベートでの奥さんは
 しずかちゃん・ワカメちゃん役の野村道子さんだったりする

〜中略〜でも、そのサンドイッチを咽喉に詰まらせたとき、紙コップにコーヒーを入れて持ってきた14歳の女の子のことなど、中尉さんのほうはとっくに忘れておいででしょうね」
「…………」
「そのコーヒーを飲んで生命が助かった後で何と言ったか、も」
「……何と言った?」
「コーヒーは嫌いだから紅茶にしてくれたほうがよかった──って」

紅茶党のヤンは、昔から健在。
フレデリカとの微笑ましいワンシーン。
フレデリカの声はコブラのレディ役:榊原良子さん


いやぁしかし第13艦隊誕生のとこからイゼルローン攻略んトコは名文が多すぎて嬉しくなる。